ビッグバン直後のエネルギーのスープは一兆度以上の温度で、エネルギーから物質へ、クオークへ移行していました。粒子は常にペアで、粒子と反粒子のセットで生まれ、その二つが接触するとすぐに爆発してもとのエネルギーに戻る、そんな不安定な状態だったのですが、宇宙の拡大と共に、温度は一兆度を切り、クオークは閉じ込めらた状態でしか存在できない徐々に冷え行く宇宙になります。すると残っていたクオークは相互に抹殺し合って、物質再生不可能状態ですから、物質は生まれず、エネルギー放射以外に何も存在しない宇宙となるはずでした。
 だがなぜ?これほど多くの物質が生き残ったのか?一九九三年から九八年にかけてほーガン、ワインバーグ、スミス、ホーキングなどの著名な科学者が問いかけます。
「なぜ、無でなくて何かがそもそも存在することになったのか?」。物質は残存しないはずだったのに。理論から言えば今日の宇宙は物質は存在せず、電子オーブンのマイクロウエーブのエネルギーにも満たないほど微弱な放射の微かなちらつきが存在するだけの宇宙になったはずなのに…
 一つの推定として百憶のペアに対して一つの単独の粒子が生まれた、と考えられます。その証拠は?と問われれば、私たちと宇宙内のすべての物質がこのように存在していることなのです。反物質の百憶に対して物質が一個だけ多く、すなわち百億1個生まれたことがその後の宇宙の運命を決定したのです。(以上シュローダー The Science of God, p.183)
 これは偶然そうなったのでしょうか。それともビッグバン前からすべてが周到に企画されたコースだったのでしょうか。換言すれば、我々が今こうしているのは単に偶然の集積からでしょうか。それとも一つのフォースが決定的な要点を設定しているのでしょうか。
 アインシュタインがイスラエルの初代首相ベングリオンと四時間にもわたって議論したのはこの問題でした!宇宙を一定の方向に導いて行く一つのフォースの存在は証明できるか否か。二人の結論はイエスでした。
 ベングリオンは無神論者でした。しかし無神論、有神論とは、現代では、白髪を垂らしたおじいさんが雲の上にいるかどうかではないのです!
 すべては偶然の所産か、偶然ではありえないか、ということです。その意味でベングリオンは真の有神論者と言えます。
 さて、あなたはどうですか。あなたは偶然の産物ですか。そうではないのでしょう
か?

  http://www.neshama.info/ (ネシャマー王国)
  http://www.geraldschroeder.com/ (シュローダー博士のHP)

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