『インタープレーター』は、名作『ジャッカルの日』に似た乗りの映画。
 だがジンネマン監督の密度の高い造りには遥かに及ばない。
 この映画、決して下手ではないが、演出も役者も『ジャッカルの日』に比べると風格が違う。
 サスペンスもありきたり。映画の造りが煩雑過ぎ。もっと一つに絞って、最後にこの計画の奥深さを余韻として残せばよかったのに、と思う。
『ジャッカルの日』の最後のあの皮肉なユーモア―綿密な暗殺計画が想定外の一瞬の偶然の出来事で、すべておじゃんにするという、滑稽だが日常いつも起こる不可解。これは、ホントに偶然なのか、それとも背後に見えざる神の手が動いているのか?ふとそんなことを思わせたものだ。そして暗殺者の正体が死んだ後まで分からない。「あれは一体誰だったのか」と呟く捜査官。まさに悪魔?戦慄が走る。
 『ジャッカルの日』の話をしてしまったが、電気紙芝居全盛の時代にこれはないものねだりなのか?いやそうじゃない。今でも『ミリオン・ダラーベイビー』のようなのが出てくるんだから。もっとがんばれよ。低予算でもできるんだから。
      ネシャマー度 ゼロ   娯楽性 ★★

 http://www.neshama.info/ (ネシャマー王国)
  http://www.geraldschroeder.com/ (シュローダー博士のHP)

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