戦いが終わるとアブラムは不安に満たされた。
 
 「ああ、私は災いだ。私は燃える炉から救い出され、飢餓と戦争を潜り抜けた。これほどの恵みを受けたのだから、私への恵みは使い果たされたかもしれない。それに、戦争中に私は正しい人を殺してしまったかもしれない。彼らの子孫が私を襲うかもしれない」。

 『神』の言葉が幻の中でアブラムに現れた。
「恐れるな、アブラムよ、わたしはおまえの盾である。お前の恵みはとても大きい。お前が殺した軍勢は、わたしが刈り取るはずの茨に過ぎなかったのだ。お前はわたしの手間を省いたのだ。おまえを軽んじる民は焼かれて石灰となり、刈り取られて燃やされる茨となる」

 『神』の言葉は永遠である。時を超えて、今も生きる。

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