アダムの歴史書(29) サライとハガルの確執 AT
2005年12月9日女たちはいつものように、サライに「いかがですか」とご機嫌伺いに来た。サライは「あの哀れな女に行きなさい」と言った。
女たちがハガルのもとに行くと、ハガルは言った。
「サライは見た目はきれいだけど、本当は違うのね。見た目は正しい人だけど、本当は違うのね。正しい人が、何年もアブラムと暮らして子供ができないなんて、おかしいじゃない?私は一晩で妊娠したのよ」
これを伝え聞いたサライは言った。
「私があの女と口論するでしょうか。私の口論相手は私の夫です」
サライはアブラムに言った。
「この侮辱はあなたのせいです。あなたは『私には子供がいません』と永遠なる方に訴えました。なぜ『私たちには子供がいません』と言わなかったのです?だから永遠なる方は、あなたに子を与え、私に与えなかったのです。その上、あの女に言うべきことも言わないで、私が侮辱されるのをただ聞いていたではありませんか。それとも、私に無断で、私の仕え女を解放し、私と同じ位にしたのですか。永遠なる方が私とあなたの間を裁きますように」
アブラムは言った。
「私たちは彼女に妻の地位を与えたから、仕え女に戻せない。彼女はあなたの手の中にある。好きなようにしなさい」
サライは、ハガルがアブラムと寝るのを禁じ、履物で彼女の顔をはたき、水を入れたバケツとタオルを風呂場まで運ばせ、奴隷のように遇した。ハガルはサライから逃げた。
サライは彼女を苦しめたことで罪を犯した。アブラムもそれを許したことで罪を犯した。ゆえに永遠はハガルに子を授け、その子の息子は「野生のロバのような男」に成長し、アブラムとサライの子孫をあらゆる形で苦しめた。
ヘブライ聖書は歴史書だから、リアリズムで貫かれている。だから完全無欠な人間は登場しない。このことから、神の意志を汲み取ることが出来よう。すなわち「完全な人間は造ってはいけない」という方針である。
http://www.neshama.info/ (ネシャマー王国)
http://www.geraldschroeder.com/ (シュローダー博士のHP)( 英文
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