『神』は無である。
 この無にはすべての存在が潜んでいる。

無は必然的に常時自己運動する。
 そして内の秘めた有を現わす。
 
 『神』は、『永遠』(無時間)、無限、完全、一であり、存在に存在を与える者。

 『神』が出す有は、『神』と反対のもの、すなわち、非『永遠』、非『無限』、非『完全』、非『存在』でなければならない。

 『神』は最終的に認識力を持つアダム(人)を創った。
 
 アダムは自分と自分の世界が非永遠、非無限、非完全、非存在であることを知り、それと反対のもの、が存在しなければならないと知る。

 人間は『神』を知るために生き、『神』を知るために死ぬ。

 死んで神に近い世界に入る。すなわち原初の粒子と世界を共有する。

     
 なぜ『神』はアダム(人)を創ったか。  
 『神』は言う。「わたしが必要とするからだ」

 ではなぜ人間は死ぬのか。
 『神』は言う。「わたくしの存在を知るためである」

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