スピルバーグの久しぶりの力作。「プライベト・ライアン」以来の迫真の描写力。久しぶりの巨匠の作品だ。三時間も長く感じない。

 優れた映画とは何か。ニュースやドキュメントに近くなる、と言った映画評論家がいたが、そのとおり。日本でこの域に達したのは、小津安二郎と黒沢明。しかし彼らの作品すべてがそうではない。

 さて「ミュンヘン」は重い思想問題を扱っているが、その結論は、特にイスラエルから見て不満があるだろう。もっと歴史の背景を正直に伝えるべきだと思う。しかしあまりにユダヤ寄りにすると興行成績に影響があるというので、『暴力の応酬を繰り返して平和が来るか?』といった日本的平和オタクの偏見に譲歩したようにも思える。

 いずれにせよ、テロと各国の情報機関が入り乱れるド迫力は脳裏に刻まれる。一見の価値あり。

 これから見ると永田議員のような幼稚園並みの情報判断で国会議員になれとは、日本て本当に平和バカの国だと思ってしまう。これでは、やはりアメリカの後ろについていくのが無難というものか?

 なお、おそらくスピルバーグが語りたくて、あえて控えた部分については「デーリー・ネシャマー」の「アダムの歴史書(42)イスラエル・パレスチナ紛争」(一月十一日)を参考にして欲しい。(楽天ブログ・デーリー・ネシャマー・ミラー版にも掲載さています)

 http://www.neshama.info/ (ネシャマー王国)
 http://www.geraldschroeder.com/ (シュローダー博士のHP)( 英文)

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