CTVでもう一度見て、あらためて感心した。九二年の作だが最近はこれほど見事な作品はない。
 原題は『基底の本能』(Basic Instinct)。この題名はテーマを充分に表している。
 雄を利用尽くして殺す雌。雌を暴力的に襲う雄。他者抹殺の理由なき殺人。
 すべて人間の心の深みに潜む闇の本能だ。
 この闇の黒い火が爆発しないように人間社会は十重二十重に安全装置を張り巡らしている。
 だがそのすべてが壊れるとき、または策略をもってそのすべてを廃止して代わりにまがい物を備えたとき、地獄が現れる。
 ナチスはこの安全装置をまがい物に置き換えたものだ。かつての日本軍部の思想も同じだ。スターリンも、フセインも、独裁者はすべてこのまがい物をひけらかして登場し、民衆はだまされてついていく。行く先は地獄の深淵だ。

『神』が創造したブラックバンのはじめは闇の深淵、ブラックホールだった。それは「黒い火」と呼ばれる。
 その状態から法則と秩序に従った素粒子、原子、分子、が形成され、時間が鼓動し始め、四次元世界が造られ、人間が、社会が造られる。
 しかし『基底の本能』「深淵の黒い火」が消えたわけではない。それは隙間を見つけて噴出する。
 
『氷の微笑』の過激なセックス・シーンが嫌らしくないのは、この真理に的を絞っているからだ。
 これこそ本物のホラー映画と言えよう。そして最も聖書的、宗教的な映画といえる。

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 池田小学校で八人の児童を殺した犯人は立派なクリスチャンか?

 「あなたが人々からして欲しいと思うことを人々にもしなさい」(マタイ7・12)。
 これはキリスト教の黄金律と言われる。
 犯人は死刑になりたいと思った。人から殺されたいと思った。それで人を殺した。イエスの言葉を実行したではないか。

 同様に、黄金率を守れば、あなたが誰かに抱かれたいと思うときは、その人を抱かねばならない。
 また、夫は明かりがあると眠れない。妻は明かりがないと眠れない。して欲しいように相手にすると、どちらも眠れないではないか。

 だからこそ「殺すな」「姦淫するな」とあるではないか、というかもしれない。しかしそれはモーセの十戒である。また夫婦の明かり問題は十戒でも決まらない。
 イエスの福音書を学ぶ前にヘブライ聖書(旧約聖書)を学ばねば本当の意味は分からない。
 ネフェシュ(ヒトの知恵ではなくネシャマー(神を知る魂)の知恵が必要なのだ。でなければ福音書はどのようにも解釈できる。
 だからこそクリスチャンが二回も世界大戦の地獄をを引き起こしたのだ。イエスは救世主ではないことはこれからも明白である。彼は異教徒に創造主の存在を知らせる使命を授かったので最終的なメシアではない。

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ソドムの滅亡 AT

2005年7月29日
 ソドムは男色のゆえに滅ぼされえた、といわれる。
 しかしラムバンによると、貧者、困窮者を無視したからである。
 どの町でも、強奪、殺人、売春、男色、貧者の無視、など行われていた。しかしソドムは『神』がイスラエルに約束した土地であるがゆえに不義は許されなかった。最大の不義は貧者の無視である。
 ヘブライ語では、「義、正義」と「施し」は同じ語である。

 イエスの言葉「義のゆえに迫害される者は幸いだ」は「施しを求める人に追い回される人は幸いだ」とも訳せる。むしろこの方が具体的で分かりやす。

 義、施し、は人間関係に関するユダヤの中心思想である。
 「自分を愛するように他人を愛しなさい」
 「自分にして欲しくないことを他人にするな」

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 光は宇宙時計である。
 光の波長の長短で初期の宇宙と現在の宇宙の時間経過の違いが測定できる。
 ビッグバンのとき時間は現在の一兆倍早く経過した。宇宙が膨張するにつれて時間は延びていく。

 宇宙は百億年から二百億年が経ったといわれる。これは現在の地球時間で過去を測ったもの。
 宇宙時計で測ればそれは6日(24時間×6)に当たる。

 創世記の記述が現代科学の発見と一致することが示される。

 トーラは『神』の口述をモーセが記したもの。人間には未知の神秘がまだまだ多く隠されている。そしてヒントはヘブライ聖書(トーラ)にある。

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 トーラ(聖書の最初の五書)は誰が書いたか。

 モーセが『神』の口述を書き記した。

 『神』(永遠)の目には過去も現在も未来もない。
 すべてが一つに見える。それで天地創造の一章以外は時間を気にしないで語っている。

 「アブラハムの時代にらくだが出るのは、家康がキャラダックに乗っていた、というほど可笑しな時代錯誤である」と山本七平は言った。

 人間の知恵(ネフェシュ)のレベルから見れば時代錯誤だが、ネシャマー(恵みの知恵)から見れば、問題にならない。

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イザヤの洞察 AT

2005年7月24日
 「わたし(創造主)は光を形成し、闇を創造する。わたしは平和を形成し、災いを創造する」(イザヤ書45・6―7)
 『神』が最初に創造したのは闇と災いであった。光と秩序は闇と災いから形成された。
 現代のビッグバン理論もこれと同じことを述べている。最初に闇と混沌が現れ、その中から光と秩序が形成されたのである。

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 オクスフォード大学の数学教授ロジャー・ペンローズはビッグバン研究でウルフ賞を貰った学者だ。
 彼はすべての自然法則が生命を生み出すように微調整されていることを知った。
 この自然法則のバランスはあまりにも完璧で、偶然に起こったとはありえないとしか言えないほどで、創造主がそのようにしたとすら考えられないほどだ。

 むしろ我々が宇宙の方程式の中に最初から書きこまれていたように見える。
 もしくはポール・デービスの言ったように「宇宙の基本構造にしっかりと組み込まれている」のである。
 
 創世記一章一節は3,300年も前に、正確にその事実を記している。それが今やっと天体望遠鏡や、粒子加速器の実験を通して自然科学は認識するようになったのである。

 ヘブライ聖書には、科学がまだ解決していない問題の解答のヒントが潜んでいる。それを読み解くものは新しい扉を開くだろう。

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 ノアの大洪水の前と後で生じた最大の変化は人間の寿命である。
 洪水以前の平均寿命は840歳である。(最低365歳から最高969歳)。
 女性が子供生める年齢は65歳から187歳(平均115歳)である。
 ノアからアブラハムまでの寿命は短くなった。アブラハム99歳、サラ89歳というこの時点で子供を生むのは奇蹟と考えられた。洪水以前は標準だったのに。
 寿命が短くなったのは環境の変化による。また『神』は、人間があまり長く生きると死を目にすることが少なく、自分たちは不死だと錯覚する弊害が出るので、短縮した、とも言われる。
 洪水以前の寿命は現代人の約十倍である。(現代人は125歳が限度とされる)。
 これは作り話だろうか。そうではない。
 養鶏場、養牛場は、鶏の成熟を三倍早く、牛の生育を二倍早くした。寿命を三分の一,二分の一に縮めるのに成功したわけだ。
 現代人の寿命も十代で老いる者から百歳以上で老いるものまで多様である。
 洪水前の十倍の年齢はありえたし、今後またそうなるかもしれない。

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 スピルバーグには一貫した思想がある。
 秩序が混沌に打ち勝つ、という思想である。
 「ジョーズ」「ジュラシック・パーク」では過去の怪物が現代文明を破壊した。彼らを倒したのは力ではなく知恵・理性であった。
 「宇宙戦争」もそうである。
 宇宙人は優れた知恵を持っていた。しかし宇宙を創り統治している『神』の秩序を破壊しようとしたとき、『神』の最高の知恵が彼らを滅ぼした。
 処女作の「激突」もこの思想を表現している。

 実はそれはタナハ(ヘブライ聖書)を貫く思想である。

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 「はじめに『神』は天と地を創造した」。
 この本当に意味は「知恵において、『神』は天のもとになる物質と地のもとになる物質を無から創造した」である。
 もとの物質は一つの点ほどの大きさであったが、それを使って様々なものが形成された。
 その後に無から創造された(バラ―)ものは、生命(ネフェシュ)とネシャマー(『神』の息)が吹きこまれたアダムであった。
 その後に無から創造されたものはない。

   ――ラムバン(十三世紀のユダヤ人聖書学者)のトーラ注解から

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神秘の精密度 AT

2005年7月16日
 ビッグバンの時のエネルギーがもし10の120乗(1,000兆の8乗)分の1狂っていたなら、この宇宙も我々も存在しなかっただろう。
 無限の精密度である。
 宇宙の端からダーツを投げて宇宙の端にある1ミリの標的を射抜くほどの精度である。

 タナハ(ヘブライ聖書)の創世記も同じことを別の言語で表していたのだ。

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 「神は死んだ」とニーチエは叫んだ。しかしニーチエが死んだ。
 『神』は消せない。逆に『神』は太陽系を消し、やがて宇宙を消す。
 それ以前に人間がへまをして自滅しても『神』は気にしない。人間の責任だから。
 「この世はいつまでも」と思う者は『神』から断たれる。永遠なるものは『神』だけだから。
 「この世は無だ」と言う者は『神』から断たれる。『神』が存在するから。

 『神』は万物の存在の源である。
 『神』が「よろしい」と言えば存続し、「もうよい」と言えば、消える。消えて一になる。『神』を離れて何ものも存在できない。

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 ダーウインの進化論、突然変異と適者生存の進化論は今は否定されている。実証できないし、確率的にありえないというのが科学者たちの結論だ。
 では生命はどのように発生したか。最初の生命は地球に水ができるとすぐに出現した。これがあまりにもありえないので一流科学者が宇宙からの飛来説を唱えたほどだ。
 宇宙飛来説が仮に当たっているとしても進化は説明できない。現在考えられている進化の仮説の一つは最初の単細胞生命体にすでにその後の発展を可能にする要素がすべて含まれていて、その後、環境の変化と共に、様々な生命形態が現われというもの。目を持たないホヤみたいな生物の遺伝子に目を作る要素が備わっているという。
 
 ダーウインはその著作で警告した。「私の説以外にも『神』はいくつかの道を設定したかもしれない」
 しかし彼の後継者この警告を無視した。ヘブライ聖書にはこの謎を解く鍵が潜んでいる。

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奇蹟? AT

2005年7月11日
 奇蹟はあるのか。
 それは人間が解明できていない自然法則によるものだ。
 『神』が自然法則に介入したのは3回である。(自然法則も『神』が創ったのだから自分からそれを変えることはない。勝手に変えた大変だ)。

 ビッグバンで無から天と地のもとを創造したこと。
 生命を創造したこと。
 ネシャマーを与えたこと。

 これは天地創造の六日間(地球時間の約150億年)の間になされた。
 それ以後奇蹟はない。奇蹟と見えるものは幸運である。しかしその幸運の奥に『神』が操っているかもしれない。
 イエス・キリストの行った奇蹟はすべて現代科学で説明できるものである。
 しかし神聖受胎、三位一体、復活は、ギリシャ神話から取り入れたもので、今も昔も神話である。だからいつまでたっても科学では説明できない。
 今後キリスト教が空洞化し衰退するなら、この神話的要素のゆえかもしれない。現代にふさわしい新しい解釈をしなければならないだろう。

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 エデンの園のアダムに、『神』は「どの木から食べてもよいが、善悪の知識の木から食べるな」と命じた。
 これは矛盾している。「どの木から食べてもよい」しかし「善悪の知識の木から食べるな」とは!?
 善悪の知識の木から食べさせたあくないなら、『神』はそのように設定できたはずだ。しかし『神』はアダムを自分のに姿(自分の影)に似せて創った。その重要な類似点は自由選択の能力である。この能力は素粒子、分子から人間に至るまですべての存在に与えられたのである。

 『神』の命令は、ゆえに、絶対命令ではなく、選択せよとの命令である。前者を実行すれば死ぬ。後者を守れば死なない。どちらを選ぶか?
 ダムとエバは前者を選んだ。危険領域に足を踏み入れた。
 注目すべきは、このゆえに神とアダム・エバの対話が始まったことである。全知の『神』はアダムが何をしたかどこにいるのか分かっていたが、「おまえはどこにいるか」と質問から入って対話を始めたのだ。
 アダムはそれ以上『神』に逆らうことなく黙ってエデンを去った。

 『神』への反逆へ走ることこそ『神』との対話を深めるのである。

 実はこれも『神』の計画の一部だ。アダムのネシャマー遺伝子を他のヒトにも分けるためである。

 その後の『神』のネシャマー人へに対する処置を見ると、うなずける。

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 イエスは自分を指して「人の子」と言った。
 これは原語では「アダムの子」である。「ネシャマー人の子」である。
 彼はネシャマー(『神』の息吹)を強く感じていた。特別な役を与えられたと感じていた。
 そして『神』と契約を交わした。これはアブラハム、モーセに次いで3番目の契約者である。
 彼の契約は前二者の契約を異教徒に広げることであった。
 偶像崇拝の異教徒に広げるために、『神』は彼が偶像化されるのを許した。
 こうしてキリスト教が広がった。

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「ヴィレッジ』は意外にいい。
シャマランは優れた監督だと思えてきます。(期待しなかったせいかも)
『シクスセンス』『アンブレイカブル』『サイン』などよりも社会性もあって面白い。

禁断のおきてに守られる村はいろいろなことを考えさせる。アーミッシュ的集団とも、教条化したキリスト教会とも、共産主義国家とも、化石化したイスラム国家とも。自分たちの手で理想郷を造ろうとする人間の限界とも。

シャマランは教派に属さないで人間と宇宙の神秘を考えている監督かもしれない。

 ニコール・キッドマンが性的奴隷にされるのも、観客のサド的・マゾ的深層心理を考慮したサービスかな?

 ネシャマー度 ★★★  娯楽性 ★★★

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 『宇宙戦争』の成功は視点の設定にある。
 大統領も国防省のお偉方も出てこない。
 肉体労働者とその家族だ。この普通の市民の目と耳を通してすべてが語られる。
 米軍も彼らの視界に現れるだけに限定され、宇宙人との華々しい攻防戦など描かない。。
 この視点は最後まで一貫している。これがこの映画に強固な現実感を与えた。

 次に何気ないせりふに、巨大なテーマが潜んでいる。
 冒頭トム・クルーズに上役が、「ついでにもう少しやってくれ」というが、トム・クルーズは、組合の規則に反するから、といって断る。
 組合の規則は秩序だ。上役の言葉は情に訴えた秩序破りの要求だ。

 秩序破りは人間の自由意志に基づく。自由意志は『神』が与えたのだから、一定の範囲を超えないかぎり『神』は人間の選択に文句をつけない。しかし枠を超えると許さない。

 何気ないせりふのすべてが注意深く選ばれて全体のテーマに結びついている。
 スピルバーグに偉大さである。

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「宇宙戦争」はスピルバーグの最高傑作として記憶されるだろう。彼の宇宙ものは『未知との遭遇』『ET』に継ぐものだが、ウェルズの作品を見事に現代化した傑作。
 『未知との遭遇』が聖書を下敷きにした場面が随所にあり、またテーマも思想も聖書を土台にしていることを見ぬいた日本人はほとんどいない。欧米人ならすぐに理解しただろうが。
 『宇宙戦争』も基本思想は聖書である。
 もし数万光年を飛来する高等な宇宙人がいれば、人間が逆立ちしても、かなわない。いかなる武器も通用しない。抹殺されるだけ。
 しかし彼らも見落とした盲点があった。地球のすべての生命体は最も原初的なバクテリアと共生してきた。基礎の細胞構造は万物同じ一つである。
 地球は、バクテリアから人間に至るまでの生命形態のために特別にしつらえられた惑星だ。地球と人間の出現はビッグバンの前にすでにセットされていたのだ。
 宇宙の至高の統治者=宇宙外生命=『神』、は複雑緻密な宇宙の布を織り成し、この地球を人間を頂点とする被造物に与えた。それは『神』が設定した宇宙の秩序によって支えられている。秩序(order)は命令であり、掟である。『神』が与えたこの地球を羨んで自分のものにしようとして暴力を振るうのは、宇宙の至高の統治者への反乱である。「隣人のものを羨んではいけない」のだ。
 彼らの高度な知力も気づかない一つの秘密があった。
(宇宙の秘密をすべて解明できる生物があるだろうか?人間も何も知らない幼稚園前の子供程度と言われる。何しろ重力が何であるかさえ分からないのだから)。
 スピルバーグの才能はその細部の描写(演出、演技も含めて)の真実味、リアリティにある。映画はすべて虚構、特にSFものは虚構そのものだから、細部の描写がいい加減だとアホ映画になる。最初からそのつもりで造ればいいが、真剣にアホ映画を造れば、それはアホ観客が感心する映画になるだけ。(ハリウッドの凄いところはアホもいるし、アホも必要だ、と知っていることかも?)
 スピルバーグは『プライベト・ライアン』以後は、これというほどの映画は作らなかった。ひょっとしたら『プライベト・ライアン』がアカデミー賞を取れなかったのに呆れて(『恋に落ちたシェークスピア』みたいな凡庸な作品が受賞したことは未だに謎だ)軽く作っていたみたい。しかし今度は久しぶりのスピルバーグだ。優れたデッサン力、壮麗な宇宙哲学、極限での人間の生き様、など充分にこなしている。
 しかし最大の功績は神に関する科学的解釈だろう。まるでジェラルド・シュロ−ダーの本を読んで映像化したみたいだ。いや、彼は現代科学の到達した点も充分に勉強しているに違いない。そうすればシュローダーにも接したはずだ。
 『神』は宇宙外知性であり、宇宙はその知性で創られ、支えられている。人間もエイリアンも例外はない。これこそ今の科学の取り組んでいる問題だ。『神』の知性は宇宙の隅々まで、エネルギー、素粒子、人間、巨大銀河の数々などの、万物を満たし、存在させている。万物は『神』の知性によって存在している。その詳細の一端を科学はまもなく明かすだろう。

 ネシャマー度 ★★★★★  芸術的哲学的娯楽性 ★★★★★ 

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 イエス・キリストは言った。「私を信じるものは、死んでも死なない」。
 死でも死なないのはネシャマーである。
 これは創造主がアダムに吹き込んだ息吹であるから、人間の肉体が塵に帰っても、ネシャマー元来の持ち主の創造主=宇宙外知性に戻る。
 ネシャマーは人間に知恵を与える。知恵は人間が死んでも後の人間に伝わる。それは地上に留まるネシャマーの子である。それは地上でも死ぬことはない。

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